闘病において大切な事

今回、がんと宣告されてから病気と向き合っていく中で気付いたとても大切な事が何点かあります。

まだ大きな病気とは無縁の方も多いと思います。
もしもいざという時に頭の片隅にでもこんな情報があったら!
というような情報となるよう書き記してみました!

闘病は団体総合戦

闘病してみて本当に一番感じたのはこれです。

『病気と戦うのは決して自分一人ではない』という事です。


支えてくれる人達の力が物凄く重要になってきます。


闘病は団体総合戦です!

配偶者や恋人、親や子供、親戚、友人、職場、そして入院先の医療スタッフの方達。


この人たち全てが自分と一緒に病気と戦ってくれる仲間です。

病気というのは思いの外、手強い敵である場合もあります。


長期戦となる場合もあるでしょう。

自分一人で戦おうとすると途中で心が折れることだと思います。

自分の周りの総力を使って病気に戦いを挑むことを心からお勧め致します。

運命共同体となる人はいますか?

先ほど「闘病は団体総合戦」と申しました。

もちろんお味方の数が多い方が良いと思います。

ただその中で超別格で重要となるポイントがあると感じました。

それは「自分と運命を共にする存在の有無」です

自分が闘病の末に死んでしまったりしたら、直接与える影響が大きい存在。

例えば配偶者、まだ成人していないお子様、介護状態の親だったり、、、

こういう守るべき相手だったり、自分を守ってくれる存在の有無。

こういった存在の有無は病気などの時だけでなく、日常の苦しい時や楽しい目標達成などにも影響することでしょう。

頭では理解していましたが、今回自分が死の淵に足をかけるという経験を経て、本当の意味で自分の生きる意味などを考えさせられました。

私の場合は、今回一番の心の支えとなってくれたのは、婚約者であるパートナーの存在でした。
普段喧嘩などもしますが、それでもお互いに本音を言い合えて一緒にいて楽しいと思える存在。
これから先の人生をずっと共にしようと思える存在。
これまでお互いが辛くて仕事やプライベートでうまくいかなかった時期も支え合ってきた存在。
今回の闘病でキツイ時も愚痴や不満を聞いてもらい、退院してからの未来への希望を楽しく語り合えて元気をもらえたりしました。
この人がいなかったら今回の闘病はどんなに辛いものだったものかと思います。

また、私には別に暮らしている3人の子供がおり、もうそれぞれ成人しています。
子供が小さい頃は私の人生の生き甲斐は間違いなくこの子供達への愛情が圧倒的に大きな比率を占めていました。
有難い事に無事に健康に成長してくれ、養育費も無事に支払い終え、徐々に子供が自立していってくれたので、私も少しずつ自分自身の幸せや生き甲斐へシフトしていっている段階であります。
とは言え子供達とは今でも一緒に食事や映画に行ったり、良い親子関係ではいられていると思うし最愛の家族であることは今後一切変わるはずはないでしょう。
ですが、今回のがんに罹患した事に関しては子供には言わないと決断をしておりました。
子供を信頼していないわけではないのですが「子供には弱っている自分を見せたくない」という勝手な我儘というか自分なりの美学があったからです。子供に心配はさせたくない。
もし今回の闘病中に私に万が一があった際は、私の真意を子供達に伝えてくれるよう元妻には伝えてあり元妻もその考えに賛同してくれました。決して粗略に扱って言わないのでなく、子供達を愛しているから闘病している姿をみせなかったという事を。
子供には、無事に治療を終えてから「実はこの前までこんな事があって」とさらっと事後報告で強い父親の姿を見てもらおうと。そんな想いでおりました。

そして、高齢になりますが私は両親が幸いまだ健在でおります。
父は凄く心配性で細かい性格です。良い意味では責任感や正義感が強いのですが、悪い意味では自分の考えが絶対に正しいと思い譲らない人で、私とは度々ぶつかっておりました。
正直、今でもその考えが理解できずにおります。
母は逆におっとり大らかな性格で、細かい事は気にせずちょっとずぼらな位です。
有難い事に今回私が意識不明でICUに運ばれた際にも二人とも駆けつけてくれ、その後もお見舞いに来てくれるなどしていました。
正直、父親とはどうしても反りが合わないというか嫌いな存在というのが本当の所です。
ですが、父は私の前で一度も弱音というか困った姿を見せた覚えがないのです。
自分の子供達に弱い姿を見せないという姿勢は、もしかしてこの父親の姿を見て育ってきたからなのかもしれません。

運命共同体という意味で言うと、ここまでが私にとって非常に大きな存在と言えるでしょう。
特にライフステージの変化もあり、今やこれからの自分にとっては婚約者がとても重要ですし、子供達も私より長生きするから見守ってあげたいという大切な存在でしょう。

最近は「生涯独身で生きていく」という方や「結婚はするけど子供はいらない」というかた。
他にも色んな生き方ができるようになり、それはそれでとても良い事だと思います。
ただ、人生において楽しい時も辛い時も経験を共有できる存在の有無や多さは、もしかして自分の人生をより豊かにしてくれる可能性があるかもしれない
そんなことを今回はより強く感じました。

そして、それ以外にも色んな人から愛を頂きました。

友人やお客様から「以前、闘病の時にこれがあって助かった」「このような方法があるらしい」本当に多くの方から沢山のプレゼントや情報を頂いたりと優しさをたくさん受け取りエネルギーとなりました。
今回の私の罹患を自分ごとのように感じてご連絡をくださる方が多くて、本当にこの人たちの元気な顔を見る事ができるだけでも幸せなことだなと心より思えました。

会社の仲間が待っていてくれるのも頑張って早く戻ろうと思う気力になりました。

人生を見つめなおす良い機会

今回の闘病では本当に自分の大切な事は何かを気付かせて頂けた。

自分が愛している人達は誰なのか?

どんな仲間とどんな風に生きていきたいのか?

これから世の中にどんな価値を提供して生きていくのか?

どんな時に喜び、どんな時に悲しむのか?

もし医師に「余命3か月ですよ」と言われたら残りの人生をどうしたいか?

一度考えてみるのは非常にお勧め致します


負けない心

闘病においてとても大切なこと

それは病に負けない「強い心」です

病は気からは本当だと思っています。

ちなみに私は闘病中は常日頃「俺はサムライ、俺はサムライ」と自分に言い聞かせていました。

自分を常に強く鼓舞する為に、
個室には「着物姿の自分の写真」「扇子」「鎧のパーツ」「風呂敷」など和のもので調度品など飾り立て。

「大河ドラマの独眼竜政宗」「永遠のゼロ」「ラストサムライ」など見ながら気持ちを高めて日々を過ごしていました。

抗がん剤や放射線治療で、喉の痛みや吐き気で辛い時も「いや、気のせいだ」「サムライ達と比べたらこれくらい大したことではない」そう思い込んで闘病を経ていました。

我慢が良いか悪いかは人によりや状況にもよりけりでしょう。

そう。実際に私は薬に頼りすぎるのは良くないと今まで思っていた傾向があったので、医師の方達から最近の傾向を聞いて逆に辛くなる前に無理せず薬を使っていくのもありなんだと学んだ部分もありますし。

それぞれの良い部分を活かしていって

少なくとも気持ちの上で

「病気を治してこれから楽しい事をいっぱいするぞ」

という活力を持って闘病するのが望ましく重要なことと強く感じました

お金の準備

やはり何事も最後はお金が重要になります。

治療を受け、より良い状態で社会に復帰するために、治療費以外にも大きなお金がかかります。

どんな部分でお金が必要になるか?ピックアップしてみました。

出費面で大きいもの(個室療養の大切さ)

出費の部分で大きな金額を占める可能性が高いのが差額室料(差額ベッド代)です。

私も今回、大部屋と個室の両方を使ってみて実際にどのような違いがあるかを実感致しました。

共同の空間をシェアするので、色んな面で気遣いが必要になります。

大部屋の大雑把なイメージです。各病院施設などによっても又変わってきます。
私が入院した病院の大部屋は、枕元にデスクや貴重品入れが用意してくれてありました。

【トイレ、シャワー、洗面台】

大部屋はまず設備面でトイレとシャワー洗面台などが共同になります。

シャワーに関しては入れる時間も限られています。また、入院中は各患者さん、診察、食事、室内清掃などのタイミングが被る事が多く、そうするとシャワーに行ける時間帯も同室の他患者さんと被る事があります。

誰かが使い終わったタイミングを計らって、シャワーに入りに行くなどの気遣いが必要になってしまいます。

歯磨きなども洗面所を専有してしまうので、気を遣うことでしょう。

また、特に重要だと思うのがトイレ事情です。

便など出せる時に出せるかは体調管理上とても重要です。
便意などを催した時に並ばなければで出せないのや、深夜で物音を出すのが忍びなくて用を足せないなどとなったらとても残念です。

大部屋ですと、視覚、聴覚、嗅覚、色んな面からストレスがあるかと思います。
あと、同じ部屋の人の相性などの運の要素も強いかもしれませんね。

そのような意味でも個室だと精神的にも肉体的にも非常に楽です。

もしまた私が長期療養する事となった場合は、御財布との相談にもなりますが有料でも個室に入ると思います。

私の入院した病院の場合、1泊税込み33,000円でした。仮に60日入院だとすると198万円が差額室料として必要になりますね。

収入減少への対策

出ていく部分以外で、収入の減少の問題もあります。

会社員であれば有給休暇がありますが、それを使い切ってしまったら「傷病手当金」のお世話になることとなります。

傷病手当金とは、連続で4日以上休んだ際に収入のおおよそ3分の2が支給される健康保険の制度です。
(全国健康保険協会 傷病手当金より)

普段の3分の2の収入があれば何とかなりそう。というイメージを持たれる方も多いのですが、注意点があります。

収入は約3分の2なんですが「引かれる社会保険料は普段と変わらない」ということです。

なので、実質的に手元に残る金額は普段の3分の2以下になります。
(ただ、良い点もありまして所得税住民税に関しては非課税です)

また傷病手当は健康保険の制度なので、自営業者など国民健康保険の加入者は収入減少を完全に自力で補填しなければならないのも注意が必要です。

がん(癌)は長期的な療養になる事も多い病気です。

また、退院した後も定期的な通院を経ながら治療を行う事も多く、時短勤務や転職などにより収入減が続く方も多いです。

長期間の収入減を見越したお金の準備が必要かもしれません。

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